腱鞘炎
腱鞘炎のこのような症状で困っていませんか?
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手首をひねったり(回内または回外)、物を掴んだりすると痛みが増悪する
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床やベットに手を着いた時に鋭い痛みが現れる
腱鞘炎の原因
ド・ケルバン腱鞘炎は、スイス人外科医(Fritz de Quervain)により1895年に命名されました。狭窄性腱鞘炎とも呼ばれ、腱鞘炎の一種です。母指の付け根に鋭い痛みが現れます。
この疾患は30歳代から50歳代の女性に多く認められ、特に出産の4週間後から6週間後に発症する傾向があります。
1.橈骨舟状骨間関節
腱鞘炎では、橈骨舟状骨間関節のズレ(サブラクセーション)が好発します。手関節の背屈や橈屈の可動域制限や痛みが生じる場合、その可能性があります。
特にスナッフボックスと呼ばれる部位に圧痛が触診される場合、舟状骨のサブラクセーションを示唆しています。
2.長母指外転筋・長母指伸筋
長母指外転筋・長母指伸筋の腱と腱鞘には炎症が生じています。炎症に伴い組織の腫脹が発生し、腱鞘の狭窄が起こっています。
また指先の反復動作を続けることで、症状が慢性化し組織の線維化が進行します。
3.橈骨神経
フィンケルシュタインテスト陽性の鑑別診断の一つが、橈骨神経の絞扼障害です。
橈骨神経浅枝が腕橈骨筋腱の下で絞扼されている可能性があります。
簡単な検査(フィンケルシュタインテスト)
親指を握った後、ダーツを投げるように小指側に手首を曲げた際、親指の付け根に痛みが出る場合、腱鞘炎の可能性が高いです。
腱鞘炎の改善法
特に舟状骨を正しい位置に戻す(アジャスト)、長母指外転筋・長母指伸筋のフリクションや筋膜リリース、橈骨神経浅枝の神経モビリゼーションを行うことで改善が期待できます。
まず、正確な触診と細かい検査により、関節・軟部組織・神経のどこに問題があるか確認します。
原因を確認後、それぞれに対応する施術法にて問題のある部位を丁寧に調整していきます。
関節に対しては、ズレて固まり動かなくなった関節を揺するように優しくゆっくり動かします。(アジャストメント)
筋肉・靭帯・腱・関節包など軟部組織に対しては、癒着して固まった部位を動かないように指でピンポイントで固定し、ゆっくりストレッチします。(筋膜リリース)
神経に対しては、関節や筋肉により圧迫されている部位を広げる方向に指で固定し、神経を非常にゆっくりとスライドさせます。(神経モビリゼーション)
ボキボキ捻ったり、グイグイ揉んだりはしませんのでご安心ください。